【嵐山】祇王寺|美しい雨上がりの苔庭

こんにちは、Naomiです。

前日から朝まで雨が降り続いた4月のある日、嵐山の祇王寺ぎおうじへ行くことにしました。祇王寺は一面に大きく広がる苔のお庭で有名で、新緑〜梅雨の時期に訪れたいと思っていました。

祇王寺は苔が雨で濡れた日に行くのが最もおすすめです。

以前、ガイドブックで知った祇王寺とは別の苔庭が有名な寺院を拝観したことがあります。しかし、その実際のお庭はガイドブックの写真のイメージとは苔の状態が大きく異なっていました。その日はよく晴れたとても天気の良い日で、苔がよく乾いてしまっていたからです。

私は苔には湿気や潤いが必要なのだろうと気付きました。そこで、次に苔のあるお庭に行く時は、雨が降ってしっとりしている時にしようと決めていました。

今回はそれが叶って、雨降りの後の美しい状態の時に合わせて行くことができました。そんな雨降りの後の、新緑の時期の祇王寺について紹介したいと思います。

目次

祇王寺とは

祇王寺は「往生院祇王寺おうじょういん ぎおうじ」と称する真言宗の寺です。

平安時代に法然上人の弟子である良鎮りょうちんがこの地に往生院を創建しました。元は広大な敷地のあった往生院が、後には荒廃し、ささやかな尼寺として残り、祇王寺と呼ばれるようになりました。

「平家物語」にも登場し、平清盛の寵愛ちょうあいを受けた*白拍子しらびょうし祇王ぎおうが清盛の心変わりにより都を追われるように去り、母と妹とともに出家、入寺した悲恋の尼寺として知られております。

現在では一面に緑の苔庭の広がる、竹林と青もみじに囲まれたひっそりとした*草庵そうあんとなっています。

  *白拍子しらびょうし…平安時代末期から鎌倉時代にかけて起こった歌舞の一種であり、またそれを演ずる芸人のことを指す。

  *草庵…わらかやなどで屋根をふいた粗末で小さい家のこと。

上の写真が入り口です。この手前に参拝者用の無料の駐車場が3台分あります。ただ、ここに辿り着くまでの道は細くて通りにくいので、大きなパーキングに停めてくるか、公共交通機関を使って来る方が良いと思われます。

見どころ

主な見どころを9つご紹介したいと思います。

  • かやぶき屋根の入り口
  • 中庭
  • 竹林
  • 苔の見本
  • 草庵
  • 吉野窓(虹の窓)
  • つくばい
  • 水琴窟
  • 宝篋印塔ほうきょういんとう

かやぶき屋根の入り口

祇園寺に入って少し歩いた所にあるかやぶき屋根の入り口です。上には青もみじが広がっています。

緑一色の中にこの趣のある茅葺き屋根の門があり、思わず写真を撮りたくなるポイントです。

中庭

非常に大きな苔庭が中央一面に広がっています。苔の緑と木々の葉の緑で、緑一色の空間です。まるで別世界のようです。

木の根元を中心に、苔が盛り上がっている部分がたくさんあり、それがとても印象的です。

苔庭の中に石の灯籠があります。

青もみじがとても美しいです。秋の紅葉も楽しみです。

入って一番奥の方は苔がやや茶色く変色しています。周りの木の生え方の関係で日差しが当たってしまうからだそうです。 2017年の大型台風の影響で、敷地内の木々の枝が折れたり、近くの杉林がダメージを受けてしまいそうなっていったようです。

竹林

境内の一番奥にある竹林

竹林を通り抜ける風の音がとても涼しげで心地良いです。竹林があるとまた特別爽やかな印象になる気がします。

苔の見本

複数の苔や、他の植物の見本が置かれています。

苔によっても大きく雰囲気が異なってきますし、苔の種類と名前を覚えて見分けられるようになりたいと思いました。

草庵

草庵へと続く道
手前が仏間、奥が控えの間

仏壇には、本尊大日如来、平清盛公、祇王ぎおう祇女ぎじょ、二人の母の 刀自とじ仏御前ぶつごぜんの木像が安置されています。

祇女の像は鎌倉末期の作で、目が水晶(玉眼)でできているそうです。

吉野窓(虹の窓)

控えの間にある吉野窓

境内の緑葉を通って差し込む日差しが障子に色とりどりの色彩を映し出すことから「虹の窓」とも言われるそうです。

訪問時には外が見えるように障子が開けてあったので、新緑の緑色がとても綺麗でした。

つくばい

「つくばい」の写真。つくばいとは日本庭園に置かれた背の低い手水鉢のこと。

中央付近に見える苔の盛り上がった部分は、つくばいのところからずっと続いており、水の流れを表しているように見えました。これも枯山水の一種のようなものなのかなと思いました。

水琴窟すいきんくつ

草庵の入り口近くにある水琴窟

訪問時はこれが水琴窟だとは知らず、写真だけ撮りました。どこから音が聞けるのかよく分からないので、また再訪した時に確認しようと思います。

宝篋印塔ほうきょういんとう

宝篋印塔ほうきょういんとう(左)…祇王、祇女、母 刀自の、母子3人の墓

五輪塔(右)…平清盛公の供養塔

その他(季節のお花)

苔庭の上にあった落ち椿

冬の名残の椿がありました。緑の苔の上に鮮やかな椿が落ちているととても美しいです。

ミヤマヨメナ

ミヤマヨメナの可愛らしい花がたくさん咲いていました。ミヤマヨメナとはミヤコワスレの原種で、山野に自生する淡青色のキク科の植物です。

祇王寺のおすすめポイント

祇王寺のおすすめのポイントは何と言っても「苔庭との一体感」を感じられることです。

苔のあるお庭は、建物の中から見るタイプのものが多いように思います。祇王寺はその敷地自体はこじんまりとしていますが、とても大きな苔庭が中心にあって、間近で見られるところが大きなポイントです。

大きな苔庭の周りに遊歩道があり、直接歩いてぐるっと一周回れるので、苔庭の中に入り込んだような一体感を感じられます。敷地の周囲も木々の多い林や竹林に囲まれているので、暑い日でもこちらはひんやりと涼しく、心地良い風が吹き抜けます。

こうした自然の心地良さをダイレクトに感じることができるところが、祇王寺の私の好きなところです。

夏の暑い時期でも涼を求めて祇王寺へぜひ訪れてみてください。

拝観案内・アクセス

拝観案内

住所〒616-8435 京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32 MAP
電話番号075-861-3574
メールアドレスgiou@giouji.or.jp
拝観時間9:00~16:30(受付終了)※16:50まで参拝可能
拝観料大人300円・小人(小中高)100円
※障害者手帳をお持ちの方は、提示でご本人のみ参拝料が免除
★大覚寺との共通拝観券 600円(通常より200円割引)
HPアドレスhttps://www.giouji.or.jp

※注意事項※ 中にトイレはありませんので、ご心配な方は近くの公衆トイレ等で済ませてから行くようにしましょう。

アクセス

電車

(1) JR嵯峨野線 嵯峨嵐山駅下車 徒歩25分
(2) 京福電鉄 嵐山駅下車 徒歩25分

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この記事を書いた人

1987年10月生まれ。
20代後半に、住みながら京都を巡りたいと思い、大好きな京都へ移住。趣味は旅行。パン屋巡り、寺社巡り、野鳥やお花を眺めることが好き。

YouTube「愛する京都」〜京都での日々をつづる夫婦のvlog〜

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