【舞鶴】MUDDY 真泥|ふたりの真心がつくる焼き物

こんにちは、Yuです。

2023年の秋に、以前から気になっていた陶芸作家さんご夫妻の営む「MUDDY 真泥」さんを訪ねました。なぜ気になっていたのかというと、2023年のはじめ、祇園にあるフレンチシェフの松本さんが手掛けるスイーツカフェ「Harmonika」さんを訪れた際、目に留まったプレートがMUDDYさんの作品だったからです。

そのプレートは僕達の下の動画の2:04辺りで登場します。フルーツがのっている黒色の花リムプレートです。

写真も掲載しておきます↓

優美な姿の中に、力強さを感じるような作品に目を奪われました。大きさも長辺が30cm以上はあるような迫力のあるお皿です。

少し前からフランスアンティークのお皿に興味があって、花びらのような縁のデザインのお皿(”花リム”プレートと言います)を特に気にしていたんです。そんな時にHarmonikaさんでこのプレートを発見!店主の松本さんに入手元をお伺いしたところ、舞鶴にある「MUDDY」さんというところで制作された作品とのこと。

早速、MUDDYさんの情報をネットで調べたところ、どうやらおふたりで営まれている窯であることが分かりました。

今回、連休が取れたタイミングだったので、念願のMUDDYさんを訪ねてみることにしました。

ブログ後半に、おふたりの作られたうつわでHarmonikaさんのお菓子を頂いたときの写真も載せています。↑

目次

「MUDDY 真泥」さんとは

京都府舞鶴市にある陶磁器を制作されている工房です。ご主人の服部克哉さんと奥様の村山朋子さんのおふたりで営まれています。

「MUDDY 真泥」は「までい」と読むそうです。「MUDDY(マディ)」は英語で「泥」を意味しているとのこと。

それから、「までい」という言葉は東北地方の方言で「真手」とつづり、「真の手」や「両手」が語源となっていることから「丁寧に、大切に、心をこめて」という思いが込められているそうです。

京都に根ざす禅の教えにも、暮らし全ての所作に心を込めることから両手で丁寧にものを扱うことが基本とされています。

そんなことも織り交ぜて考えていると、おふたりの工房と作品にこめられた思いがとても美しく素敵だと感じます。

服部 克哉(はっとり かつや)さん

服部克哉さんの作品

大学生の頃に初めて陶芸に触れたそう。なんと大学生の時に「陶芸部」に所属していたとか。大学卒業後、石川県の九谷焼の窯で修行をされたそうです。

服部さんはアンティークの食器や家具が好きとのことで、ギャラリーのあちこちにアンティークの物が置かれていました。

僕達ふたりがHarmonikaさんで見つけた花リムのプレートもアンティークのプレートから着想を得たそう。優美でありながら、固く締まった力強い作品が服部さんの作品の特に好きなところです。

服部さんに焼き物への思いをお伺いすると「たくさん使ってもらえることが嬉しい」とのこと。

というのも、ご自身の作品を目にした時に良いと思っても、その後使ってもらえていないことを知ると「あまり良いものではなかったのかな?」と思うそうです。

それは服部さんの作る焼き物が日々の暮らしで使われる身近な存在であって欲しいという願いからなのでしょうか。

村山 朋子(むらやま ともこ)さん

村山朋子さんの作品

ご実家が焼き物屋さんであったとのこで、幼い頃から陶芸に囲まれて育ったそうです。

かつてインドを旅した際に親の職業が「焼き物屋」であることを現地の人に話したら「私は職業で人を判断しないから」と言われたそう。

『カースト制の厳しいインドでは焼き物屋は身分の低い職業だったのかも知れないと思った。その時に日本の焼き物が特別であることを知った。』

そんなインドでのエピソードが村山さんの陶芸への思いを深めたとお話ししてくださいました。そのお話をお伺いして、服部さんが修行した九谷焼も、僕達夫婦の住む東山にある清水焼も、間違いなく日本を代表する素晴らしい陶芸文化であるなと、改めて認識しました。日本の焼き物って凄いのですね。

村山さんの作品は薄手の磁器に淡い青色を基調とした絵が温かく、心和むような優しさを持っているのが特徴だと思います。

ちなみに、妻が選んだ小鳥さんが描かれた小皿がとてもかわいいです。

おふたりの窯:西洋式薪窯

僕は陶芸についてはまったくのど素人なのでかまの種類や特徴についての知識はないので、おふたりが語ってくださった窯ができあがるまでのエピソードを紹介したいと思います。

結論から申し上げると、この立派な窯、おふたりの手作りによるものなんだそうです!

下の写真を見ていただくと分かるのですが、窯の手前には窯にくべるためのまきが置いてあります。

窯を囲うように小屋が建っている。煙突が窯と繋がっている。

これらが雨風にさらされないように小屋が立っているわけですが、実はこの小屋も手作りなんだとか!窯を自分達で建ててしまうなんて、衝撃です。

この西洋式薪窯まきがまはご実家で焼き物屋さんをされている奥様の朋子さんのお父さんに窯の作り方を請うたらしいのですが、

「自分達で小屋を建てられたら教えてやる」

と言われたとのこと。き、厳しい・・・。

現代っ子の僕なら誰かにお願いしたり、ChatGPTに作り方を聞いて・・・、なんて考えてしまいがちですが、自らの手で全てを作り上げることに意味を見出していたのかもしれません。

作品について

ギャラリー内

Naomi

この古い蔵もおしゃれだね!

Yu

ここがギャラリーらしいよ!

ギャラリーの入り口

このおふたりの作品のギャラリーとなっている古い蔵は、他の場所にあったものをわざわざ移築されたそうです。

雰囲気があってとても素敵でした。

ギャラリー内。作品の飾られている棚は服部さんの集めたアンティークの品々。
手前の大きめの器は村山さんの、その奥にある茶色の器は服部さんの作品。
村山さんの小鉢
絵付けされた作品は村山さん、絵付けのないものは服部さんの作品。
温かみのある光と木の机が作品の優しさを一層引き立たせています。
村山さんの絵付けは優しく繊細な雰囲気がとても素敵です。
別部屋に飾られていた作品。ドライフラワーの雰囲気と良く調和しています。一番大きな蓋物は20世紀前後のフランスで使われていたアンティークの器に似ています。特に、蓋の取手が特徴的で美しいです。

今回購入した作品

服部さんの作品:瑠璃の花リムプレート

強さの中に美しさと優しさを感じる服部さんの花リムプレート。
プレートの中で色が均一でないところに魅力を感じています。
夜空の中に星が煌めくように見えたり、深い海のように見えたり。「自然」を思わせる表情がとても気に入っています。

ここからはNaomiによる解説です。

この服部さんのお皿はYuがとても気に入って選びました。なかなか他では見ない、とても美しい色合いをしています。

村山さんの作品:豆皿と箸置き

※右下の無地の箸置き2つは服部さんの作品です。

私は青い色が好きで、村山さんの繊細な絵付けがとても素敵だったので、細々とした作品をいくつか購入させて頂きました。

妻のNaomiが選んだ作品。真ん中の鳥ちゃんが可愛い。

私たちが訪問したときに唯一あった鳥さんの絵皿。鳥好きなので迷わず選びました!

青だけでなく赤っぽい色も優しさと暖かさがります。主張しすぎない色合いが気に入っています。

どれもちょうど在庫が一つずつしかなかったのですが、それぞれ可愛くて捨てがたかったので、バラバラになってしまいましたが購入しました。それでも、その時々で色々な柄や形を楽しめるので良かったです。

MUDDYさんのうつわ × Harmonikaさんのお菓子

おふたりの作品は日常的に使用しているのですが、せっかくブログに掲載するので今回は特別な食べ物を置いてみました!

のせているものは当記事の最初で触れた「Harmonika」さんのお菓子です。

まず、服部さんの花リムプレートにHarmonikaさんの葡萄のタルトをのせました!

次の写真はカヌレとガレット・ブルトンヌを村山さんのお皿に置きました。

フォークの下には服部さんの箸置きです。

うつわとお菓子、それぞれがお互いを引き立て合っています!

村山さんのうつわは和の雰囲気ですが、このように洋菓子を置いてもとても可愛らしいです。

今回はHarmonikaさんに事前にこのお皿の写真をお見せして、お皿の雰囲気にあった色合いのフルーツと盛り付けで、とお願いし、とても素敵に作って下さいました。

Harmonikaさんについては以下をご参照ください。↓

MUDDYさんの作品が買える、京都市内のお店

「Rikka Knot(リッカ ノット)」さん

四条河原町にある、作家さんのうつわとこまものを取り扱うお店です。

常設でおふたりの作品を展示されています。(※写真には他の作家さんの作品も含まれています。)

Rikka Knot (リッカノット)うつわ...
Rikka Knot (リッカノット)うつわ・こまもの屋 作家ものの器とこまもの(雑貨)を、店舗とオンラインショップで販売する、京都河原町のセレクトショップです。うつわを初め、丁寧な手仕事により制作された、作家のこだわ...

2023年の12月には村山さんを含めた7名の作家さんの企画展がありました。

お正月向けのものや、初めて見る柄のものなど、とても素敵な作品がたくさんありました。

村山さんの作品は残り少なくなっていますが、2024年1月5日(金)までオンラインショップで購入できます。

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「京都 おうち」さん

平安神宮近くに2店舗を構える、作家さんのうつわを中心に手作りの作品を取り扱うお店です。

「京都 おうち」さんの平安神宮店でも2023年12月から2024年1月8日(月)まで企画展をされており、おふたりの作品を購入することができます。

村山さんの作品

様々な形や柄の作品があって、とても可愛かったです。

服部さんの作品

温かみのあるカップ類を中心に、アンティーク調のおしゃれな耐熱皿や大きなお鍋もありました。

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余談ですが、この写真の取り分け用のお皿とカップ&ソーサーもおうちさんで購入したもの。2023年はアンティークや作家さんの作品で可愛い色・柄・形のものを買い集めたので、それらに合わせやすいシンプルなうつわを選びました。大阪の陶芸家・イトウ サトミさんという方の作品です。

おうちさんはシンプルなものからとてもカラフル、可愛らしいもの、かっこいいものなど、様々なテイストの作家さんを取り扱われているので、お気に入りのものが見つけやすいかもしれません。

まとめ、注意事項

MUDDYさんを訪れる際は事前に電話での予約が必要です。MUDDYさんはギャラリーと工房が同敷地内にあり、日々、作品作りに勤しまれています。制作活動のご迷惑にならないように必ず訪問前に連絡しましょう

おふたりの作品はとても温かみと優しさ溢れる雰囲気の作品です。とても素敵な作品ですが、堅苦しくなく、日常的に使いたくなること間違いなしです。ぜひ、一度手に取ってみて下さい。

最後までご覧頂き、ありがとうございました!

近隣のおすすめスポット

舞鶴赤れんがパーク舞鶴引揚記念館など

MUDDY 真泥 さんについての情報

屋号MUDDY 真泥(までい)
住所〒624-0124 京都府舞鶴市桑飼下142 MAP
アクセス①JR西舞鶴駅より車で約20分 ②京都縦貫自動車道 舞鶴・大江インターより車で約5分
駐車敷地内に駐車可能ですが、念のため事前に直接ご確認ください。
訪問について事前予約制。下記連絡先からお問い合わせください。
支払い方法現金のみ
電話/FAX0773-60-1096
mailmail@muddyblues.com
Instagram@muddy.blues
ホームページhttp://muddyblues.com

Instagram

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この記事を書いた人

京都でふたり暮らしの夫婦。鴨川沿いのカフェで出会う。
ふたりの人生の始まりの地となった京都での暮らしを楽しみながら、当サイトやInstagramなどのSNSを通して京都での日々を発信中。当サイトの運営者。

YouTube「愛する京都」〜京都での日々をつづる夫婦のvlog〜

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